月別アーカイブ: 2017年9月

卒論レシピを作ろう

昔やってたゼミでは四年生の八月中に「卒論レシピ」というのを作ってもらってました。みんな就活で忙しくてごりごり卒論を書き始めたりできないのはわかるけど、このくらいの進捗報告はしてね、ってやつです。

このレシピづくりみたいのは僕自身も論文書く前に自分向けにやってるんですよね。こういう簡単な設計図をつくらないと僕は何も書けないので。

(askで卒論関係の質問多いので公開することにしました)

卒論の「レシピ」を作る

1 卒論の形式

• 字数:18000字~32000字(目次と文献表は字数に含めない) A4 横書き

• 一次提出:2016年1月12日 最終提出:2月1日。いずれも .pdf形式 でメールに添付して送ること。期日より早く書き終えることができたなら、いつ送ってもらっても構 わない。

• 脚注は文末脚注ではなくページごとにつけること。

• フォントは明朝体(欧文はTimes New Roman系)を用いること。フォントサイズは11pt。

• それ以外の形式は特に指定しない。論文を書く際の一般的なマナー、テクニックについては山内志朗 『ぎりぎり合格への論文マニュアル』や戸田山和久『新版 論文の教室』を参照することを強く勧める。

2 卒論のレシピ

• 四年生は卒論レシピを8月11日までにメールで提出する。形式は卒論に準ずる。

• 卒論レシピは「予定題目」「概要」「参考文献リスト」「引用」の四つから構成される。

• 題目はできるだけ具体的につける。おすすめなのは「(本題):(副題)」という形式。本題で扱う対象 そのものを指定し、副題には問題にアプローチする方法を書く。

• 例:○「行為の生における幸福の可能性――ストア哲学からの接近」○「良き人生について:ローマ の哲人に学ぶ生き方の知恵」 ×「現代人の幸福感について」

• 概要は 600~800 字で書く。どのような研究テーマをどのような方法で論じるのか。どんなところが 卒論のウリなのか。予想されるインパクトはなにか。ここが上手に書けないのであればもう一度テー マを絞り込む必要がある。

• 参考文献リストは現段階では3~5冊程度あればよい。学術論文もciniiなどで検索してストックして おくこと。一般に、絞り込まれたテーマであればあるほど論文の方が分かりやすく書いてあるはず。 論文の場合はテーマにもよるが、現代社会的な問題を扱うのであればできるだけ新しいもの(2000年 以前・以後がひとつの目安)がよい。

• 「引用」は参考文献のなかから「この部分は自分の関心に直接関わりがある」と思った箇所を一段落 分抜き出す。批判的に言及したい箇所や直接引用するつもりはないが、重大なイメージソースになっ ている箇所でもいい。かならず段落ごと抜き出すこと。タイトルとページ数も必ずつける。

• だいたい八つくらい引用を作ることができていればよい。

• この「卒論レシピ」をもとに長門は夏休みに勉強するのでわかりやすく書いて欲しい。

• 「卒論レシピ」は料理のレシピと同じ。どんな材料をどう調理してどういう料理を作るのかを自分と 他人に対して宣言する。

3 卒論のコツ

• 経験上、卒論を書くのに苦労する人は、(料理でいえば)どんな調理器具が家にあり、冷蔵庫のなか に何があるか、スーパーでなにが売ってるか……などなにも確認しないまま「和風っぽい魚料理を作 ろう」としてキッチンの周りをうろうろしているようなもの。

• 作ってる途中で材料が足りないことに気づいてスーパーと自宅を往復しているうちにどんどん当初の 予定と違うものができていく。そしてほとんどの場合、そういう料理はもとのイメージよりも妥協し たものになる。

• とにかく一度、ざっくりでもいいから大まかに書いてみて、論証が足りないところは後で埋めてみる、 という書き方がよい。友人や教師に見せるにしても部分的なものより一応全体の仮組ができているも のの方がコメントを貰いやすい。

• これがおそらく人生を通じて最も長い文章の作成になる、というひともいるはず。20000字程度の文章を正味半年で書くのは大学教員でもすごく大変。私は一年に2本は頑張るようにしているけど無理な年もあった。

• 図書館に過去のゼミの先輩が書いたものがあるので読んでない人は一度目を通しておくとよい。

• 書いたものは全部バックアップを取る。wordのファイルは章ごとに別のファイルで作り、完成前にひとつにまとめるとよい。

• 学生は大学教員から指導を受ける権利がある。というか、そのために私は雇用されているのでなんで もいつでも質問してよい。ただし、その際には漠然とした質問だけでなく、必ずなにか資料やメモを もってくること。